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小児歯科

子供の健康を願わない親御さんや保護者さんはいないと思います。
お口の健康に関しても同じだと思いますが、子供は幼少期からある程度の年齢になるまでは自分のことを自身で管理するということはできません。
ですから、子供のお口の健康を確保するためには子供の身体的成長や精神的成長に合わせて親御さんや保護者さんが積極的に関わる必要があります。

小児歯科では乳歯の虫歯の治療や虫歯になるリスクを減らすための予防措置をおこなったり、乳歯から永久歯へ生えかわる歯の交換期における歯並びへの対応などをしていますが、小児歯科についてのお話をする際に一番重要なこととしては、『小児の口腔の健康を守り維持することの責任は親御さんまたは保護者にある』ということです。
このことが大前提であり、小児歯科での対象者はお子さんだけでなくその保護者さんも対象者であるということを理解していただくことで小児歯科の価値を高くすることにつながるのです。

小児の口腔内は、乳歯が生え始めてから乳歯が生えそろうまでと乳歯から永久歯に生えかわるまでの大きく分けられます。
乳歯はおおよそ2歳半~3歳までに生えそろいますが、その期間は親御さんや保護者さんが比較的管理しやすい時期といえます。
なぜならこの時期は子供自らが食べるものを決めたり選ぶのではなく、離乳食から通常の食事の準備のほとんどが親御さんや保護者さん、または保育施設の保育士さんが行う時期だからです。
間食についてもどのようなものをどのように与えるかは管理しやすい時期だと言えます。
子供に与える食事などはできるだけ体にいいものをと考えるでしょう。
だからこそこの時期には栄養バランスに加えて食事や間食を与える「生活のリズムを作ってあげること」と、その生活のリズムの中に「食べたら歯を磨く」という意識を作ってあげることが重要になるのです。

さらに、この生活のリズムの中に「定期的に歯医者で歯を磨いてもらいフッ素を塗るという習慣」を組み込んでいただくこともお子さんが成長したときに定期的に歯医者にかかりクリーニングを受けるなどのお口の健康に対する意識や予防への意識向上のきっかけとなり習慣につながるのです。

食後や間食後に歯を磨く習慣については、乳児期で歯がまだ生えていない場合には親御さんがガーゼを巻き付けた指先でお子さんの口腔内を拭ってあげることからはじめて下さい。
その後、乳児期から幼児期にかけて乳歯が生えそろっていきますが、その状況に合わせて使用する歯ブラシや歯磨き粉を換えていきましょう。
この時期の親御さんの関わり方としては、食後・間食後にお口の中をきれいにすることの習慣を作ってあげることが大切です。
お口の中の汚れをきれいにできることが理想ですが、そこに意識がいき過ぎると子供を押さえつけ泣いてでも歯磨きをするという行動をとってしまいがちです。この行動は子供にとっては食後の歯磨きは嫌なものという認識につながり習慣には中々つながりませんし、長い目で見ればかえって子供のお口の健康を損ねることになってしまいます。
子供にも一人ひとりの性格がありますので、素直に歯磨きを受け入れるお子さんもいれば初めは嫌がるお子さんもいると思います。

歯磨きを嫌がるお子さんにとってこの時期は歯磨きをしてあげる際の工夫が必要な時期ですので、「手鏡を持たせて見せながら歯磨きする」や歯磨きの際の位置を「仰向けでする・床に座った状態でする・椅子に座った状態でする」など色々と試してみてほしいのですが一番重要なのは「おだやかな口調で声を掛けつつコミュニケーションをとりながら歯磨きすることを心がけること」ということを意識してみて下さい。
そして、数か月ごとに予防等で歯医者でのブラッシングやフッ素塗布を受ける習慣が、将来の治療や予防で歯医者に通院する際のハードルを低くしてくれることでしょう。

子供の年齢が4歳を超えてくると、それまでの親御さんの対応とお子さんの性格によって口腔内の管理が大きく変わってきます。
乳児期からのお口の健康に対する行動の習慣付けが上手くいっている場合には問題ありませんが、この時期に食後・間食後の歯磨き習慣が身に付いていないと管理が難しくなってきます。
なぜなら自分がしたいこと、やりたくないことを意思表示しはじめる反面、理性よりも感情優先の年齢でもあるため「習慣として身に付いていないことは、やらなければならないことでも自分がやりたくないことには取り組もうとしない」からです。
さらには意思表示もできるようになっているため、親御さんが管理せずにお子さんがおやつを食べたいというたびに時間を決めずにおやつを与えていたりすると口腔内環境が悪い方に転がり始めて、気が付いたときには口腔内の健康が損なわれ歯が崩壊状態になってしまっているということになりかねません。

子供がしたいことをしてあげたいという親心はよくわかりますが、虫歯の原因になりやすいお菓子を欲しがるときに好きなだけ与える行動は本当の意味ではその子のためにはならないということはほとんどの親御さんは理解していることと思いますので、できることなら最低限就学前までには食後の歯磨き習慣と間食は決められた時間のみにする習慣は身に付けておいてほしいところです。
習慣というものは一朝一夕に身に付くものではありませんが、この時期に習慣化していなくても親御さんの取り組み次第で習慣として身に付けさせてあげることは可能ですので根気強くお子さんと向き合って取り組んでみて下さい。

就学して学年があがっていくと、親御さんがこれまでしていた仕上げ磨きの頻度が少なくなったり、間食の時間や回数についても子供任せになりがちです。
子供は成長するにつれできることが増えていきますからそれに合わせてできることをお子さん自身に任せることは良いことだと思いますが、そうはいっても未熟なところがあることもまた事実です。
細かい手作業ができるようになったり、自分の行動によってもたらされる結果を考えて判断しその結果に責任を持てるようになるには相応の時間がかかります。

小児歯科の観点からは、仕上げ磨きの頻度については子供の成長に合わせて少なくしていくこと自体は問題ありませんが、仕上げ磨きで気付いたこと(磨けている、いない)をアドバイスしてあげたり、お子さんのお口のことで何かしらの異変に気付くきっかけとなりますので、小学校を卒業するまでくらいは時々は親御さんが仕上げ磨きを行うことを推奨します。

子供の健康を願うのであれば、心と体の成長を正しく導いてあげることが親御さんの大切な役目です。
お子さんのお口の健康を維持していくために予防処置を兼ねて定期的に歯医者に通うことを習慣とさせてあげて下さい。

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