診療についての説明・注意事項
麻酔使用時の注意事項
咬傷、火傷に気を付けて下さい。
歯科治療における局所麻酔の効果は、2~3時間程度(個人差により3時間以上持続することもあり)で、当該部位の感覚が一時的に麻痺しているため、通常時には気付ける咬み傷や火傷にも気付けない状態です。
麻酔の効果が無くなるまでは火傷・咬傷等には十分ご注意下さい。
飲食時などでの垂涎に注意して下さい。
麻酔の影響により、閉じているつもりの口唇が閉じられていない場合がありますので、涎で衣服や自身周辺を汚してしまうことに注意して下さい。
特に小児の場合、上記の注意事項に対しては、保護者が責任をもって管理してあげて下さい。
虫歯治療後の仮詰めについての注意事項
仮詰め後30分程度は飲食をお控え下さい。
仮詰めの目的は、形成面保護や隣在歯の移動防止です。
あくまでも仮詰めですから、適合や舌触りが良いものではありません。
また、次回以降の治療時にはずすことが前提の物ですから何かの拍子に外れてしまう(ガム等の粘着性食物に引っ張られると外れてしまいます)こともあります。
もし外れてしまった場合は、できるだけ早く仮詰めのやり直しを受けて下さい。
仮詰めは噛むための物ではなく、噛む力に耐える硬さはありません。
強く噛むと材料が変形して、神経のある歯や歯肉に食い込んでしまい痛みが出ることがありますので噛みしめないよう注意して下さい。
虫歯の治療を受けた方へ
虫歯の治療をした歯には、歯の神経の部屋近くに詰め物(異物)をしたことにより、
- 噛むと違和感(軽度の痛みを含む)がある。
- 歯がしみる。
などの症状が出ることがあります。
このような症状が出た時、多くの場合は歯が持つ順応機能によって時間の経過と共に落ち着いていきますので、しばらく様子を見て下さい。
しかし、生活にかなりの支障をきたしてしまう症状が出た場合は歯の神経処置が必要になることがあります。
以上のことをあらかじめご了承下さいますようお願いします。
歯の神経処置(根管治療)を受けている方へ
傷んだ歯をできるだけ残すことが根管治療を行う大きな目的ですが、その内容は実に難しいもので治療回数・期間がかかる治療ですのでご理解下さい。
また、治療経過が良くない場合や、歯の細菌感染が重度、歯の崩壊が著しい歯は抜歯しなければならなくなることがあることをご了承下さいますようお願いします。
根管治療での仮詰めの注意事項
根管治療では薬剤を貼薬後に仮詰めをしますが、その材料は温めると柔らかくなるので食事時はできるだけ温かい飲食物が触れないようにご注意下さい。
仮詰めは、貼薬材の効果維持と根管内への異物侵入防止が目的ですから、外れて しまった場合には早期に受診されるようお願いします。
例外として、細菌感染で根管内部または根の周辺に圧力がかかって痛みが出ている場合に、減圧(ガス抜き)が目的で綿を置くだけの仮詰めを行うことがあります。
この仮詰めが外れた場合は、次回受診時(1週間程度)までそのままにして問題ありません。
但し、根管を開放状態のまま放置すると当該歯の状況は悪化してしまいますので、必ず1~2週間以内に次回の根管治療を受けて下さい。
抜歯処置後の注意事項
抜歯処置後に大切なことは、「血を止めること」です。そのためには
①圧迫止血をしっかりと行う(ガーゼを噛む)こと
②溜まってできた血の塊を取り除かないこと
③血流が強くなる行為を避けること
が重要です。
圧迫止血が不十分だと血が止まらない原因になりますのでご注意ください。(ガーゼを噛む時間は15分~20分)
圧迫止血後の少量の出血や血の味がする等に関しては経過を見て下さい。
気になるからといって、うがいをしたり、いじるなどして血の塊を取り除いてしまうと骨が露出したドライソケットという状態になり強い痛みが発生してしまうので注意して下さい。
「運動」や「長時間の入浴」、「飲酒」などの抜歯後に血流が強くなる行為も血が止まらない原因になりますので避けて下さい。
治癒の遅延につながる為、喫煙も控えて下さい。
細菌感染・耐性菌を防ぐため、処方された薬は指示された通りに服用して下さい。(薬疹が出た時は服薬を中止しご連絡下さい。)
「麻酔使用時の注意事項」も参照のうえ、ご注意下さい。
以上のことを注意いただいたうえで、ドクドクと勢いよく出血し、血が止まらない場合にはご連絡を下さい。
抜歯処置の際に歯肉剥離、骨削合を行った場合に起こり得る事項
以下のことをご了承下さい
- 歯肉の剥離後に縫合した部位は、一時的に引き攣った状態になりお口が開けづらくなることがありますが、時間の経過と共に元の状態に戻っていきます。
- 骨を削った部位は、その後かなり腫れます。腫れの程度・期間については個人差がありますが3~5日ほど続いた後、徐々に腫れは引いていきます。
- 奥歯の処置では、のどの周辺にも炎症が波及することがあり、炎症が治まるまでは物を飲み込む際に痛みを生じることがあります。
- 伝達麻酔を併用した場合、通常の局所麻酔より麻酔の奏効時間が長くなります。
- 抜歯処置により知覚鈍麻が起こることがありますので、その際にはご相談下さい。
義歯(入れ歯)の取扱いについて
- 出し入れは丁寧に行う。
- 食事をしたら洗う習慣で清潔を保つ。
- 就寝時は外して歯や歯茎を休める。
- 保管は湿潤状態で。
- 使用始めはリハビリが必要。
出し入れを丁寧に行わなかったり装着する入れ歯自体が不衛生だと、歯や歯茎の健康を損ねる原因となったり入れ歯が壊れる原因になるので丁寧に扱って下さい。
また、食事をしたら洗って常に清潔を保つよう日頃の管理を行う必要がありますが、破損の原因となるので熱湯消毒はしないで下さい。
汚れが気になる場合は市販の義歯洗浄剤を使用して下さい。
就寝時は歯や歯茎の休息の為外して下さい。
保管は劣化が早まらないよう湿潤状態で保管して下さい。
入れ歯は異物ですから、始めはリハビリ意識で使用して下さい。
以上、装着指導・使用法の内容を守って使用して下さい。
ナイトガード・バイトプレートの注意事項
歯軋り・喰いしばりによる歯の摩耗防止や発生音防止の為のナイトガードや、顎関節症治療の為のバイトプレートの取扱いの基本は清潔・衛生的に使用することです。
口腔内に食べカスなどがついた状態で使用すると、汚れがついて装置がヌメり臭いも出てしまい不衛生です。
使用前には口腔ケアを必ず行ってから装着するよう心がけましょう。
また、ヌメりや臭いが気になる場合には、市販の入れ歯洗浄剤を利用しても問題ありませんが、変形・破損につながるので熱湯消毒は絶対にしないで下さい。
劣化が早まらぬよう湿潤状態で保管することも大切です。
- 清潔に保つ。
- 保管は湿潤状態で。
- 熱湯消毒はしない。